Hannover Messe と automatica は、どちらもドイツで開かれる製造業向けの見本市で、工場の自動化やロボットを扱います。そのため「どちらに行けばいいのか」と迷う方も多いはずです。この記事では、サイトに掲載中の Hannover Messe 2027 と automatica 2027 の情報をもとに、扱う分野の広さ、会期、規模、来場者、出展の準備などを項目ごとに比べます。先に結論を短くまとめると、次のとおりです。

ポイント

Hannover Messe が向いている人:自動化に加えて、駆動・部品調達・産業ソフトウェア・工場のエネルギーまで、製造業を幅広く見たい。欧州の産業政策や大手企業の方向性もつかみたい。
automatica が向いている人:ロボット・自動化に的を絞って、導入を検討する企業の担当者に会いたい。人型ロボットやフィジカルAI、マシンビジョンなどの最新動向を集中して見たい。

Hannover Messe と automatica を一覧で比べる

まず、両展示会の基本情報です。会期は常に最新のデータで表示されます。

会期展示会開催地業種主な数字(主催者の発表)
2027年4月5日(月)〜8日(木)Hannover Messe 2027ドイツ・ハノーファー産業オートメーション・ロボット部品・素材・サプライチェーン前回の来場者:約110,000人海外からの来場:約40%
2027年6月22日(火)〜25日(金)automatica 2027ドイツ・ミュンヘン産業オートメーション・ロボットIT・ソフトウェア・クラウド前回の来場者(2025年):49,284人出展者:798社

次の表は、各展示会ページに書いてある内容を項目ごとに並べたものです。automatica は隔年開催のため、規模の数字は前回の2025年の実績です。Hannover Messe は2026年の実績です。年が1年違う数字を並べている点に注意してください。

項目Hannover Messe 2027automatica 2027
性格製造業向けの産業技術見本市。自動化・ロボット、駆動・油空圧、部品・素材の調達、産業ソフトウェア、工場のエネルギー、研究開発までロボットと工場の自動化に特化した専門見本市
会期(現地時間)2027年4月5日(月)〜8日(木)、9:00〜18:00。開幕式は前日4月4日(日)18:00〜2027年6月22日(火)〜25日(金)、9:00〜17:00(最終日は16:00まで)
開催頻度毎年(4月)。2027年は前回の5日間から4日間に短縮隔年(2年に1回、6月)
開催地ドイツ・ハノーファー。ハノーバー国際見本市会場ドイツ・ミュンヘン。メッセ・ミュンヘン見本市会場(東入口側)
主催者Deutsche Messe AGMesse München GmbH(パートナー:VDMA Robotics + Automation)
規模(前回)2026年:来場者 約110,000人、出展者 約3,000社(主催者の閉幕報告。開催前の発表では「4,000社以上」との記載もある)2025年:来場者 49,284人(97の国・地域から)、出展者 798社(40の国・地域から)
出展分野Smart Manufacturing & Automation、Motion & Drives、Industrial Engineering & Supply、Digital Solutions、Industrial Energy、Research & Innovation など組立・ハンドリング、産業用ロボット、サービスロボット、マシンビジョン、ソフトウェア・クラウドの5分野
来場者の構成(前回)製造業の意思決定者・技術者が中心。海外から約40%。来場の多い国は中国、ブラジル、アメリカ、日本、韓国意思決定に関わる立場が83%、経営層20%。半数が従業員199人以下の企業から。海外から38%
入場条件業界関係者が中心。18歳以上の学生・研修生向けの割引1日券あり。詳細は公式サイトで確認主催者のサイトに明記なし。公式サイトで確認
来場の料金2027年の料金は主催者の発表なし(2026年11月時点)2027年の料金は主催者の発表なし(2026年11月時点)
出展の料金当サイトでは未掲載。主催者の出展案内で確認小間料(税抜)1面開放 279ユーロ/㎡〜4面開放 359ユーロ/㎡。ほかに必須費用あり(2026年11月1日時点)
スタートアップ・研究機関Research & Innovation(11番ホール)に研究機関・スタートアップスタートアップ向けの枠は展示会ページに記載なし。研究と産業をつなぐ「munich_i」を併催
併催NexGeM(金属加工・工作機械)、Europe Energy Week(エネルギー市場・インフラ)。どちらも2027年に開始Laser World of Photonics(レーザー・光技術)、World of Quantum(量子技術)、munich_i
日本企業の出展2026年版で所在国が日本の出展者 18件(JETRO などの公的機関・業界団体を含む)。2027年の日本パビリオンの募集は発表なし2027年の出展者一覧に日本に本社を置く企業グループの名前が多数。日本パビリオンの有無は発表なし
向いている目的製造業全体の動向把握、欧州の製造業の意思決定者との商談、部品・素材の調達、エネルギー・脱炭素の情報収集ロボット・自動化機器の販売先・提携先探し、導入担当者との商談、人型ロボット・AIロボットの動向把握

詳しくは各展示会ページ(Hannover Messe 2027/automatica 2027)を確認してください。ドイツで開かれるほかの展示会は、ドイツの展示会一覧で探せます。

産業全般か、ロボット・自動化特化か

Hannover Messe:「ものをつくる現場」全体

Hannover Messe は、工場の自動化・ロボットだけでなく、駆動・油空圧、部品・素材の調達、産業用ソフトウェア・データ活用、工場のエネルギー、研究開発まで扱います。主催者は自らを「製造業のための世界有数の見本市」と位置づけています。

展示はエリアごとにホールが分かれています。自動化は13・26・27番、デジタルは14〜17番、工場のエネルギーは22・23番ホールです(2026年10月時点の会場図)。主催者は「産業AI」を中核テーマの一つとしており、AIは特定のホールに閉じず、全エリアにまたがっています。

産業政策の発信の場でもあります。2026年は開幕式にドイツの首相とパートナー国ブラジルの大統領が出席しました。2027年のパートナー国はスペインです。

automatica:ロボットで自動化するための技術

automatica は、ロボットと自動化に的を絞った専門見本市です。展示分野は、組立・ハンドリング、産業用ロボット、サービスロボット、マシンビジョン、ソフトウェア・クラウドの5つです。主催者は「ロボティクスと自動化で世界最大の品ぞろえ」をうたっています。前回(2025年)は6つの展示ホールに約1,100台のロボットが並びました。

2027年について、主催者の展示会ディレクターは、フィジカルAI(AIを搭載して現実世界で動くロボット)と人型ロボットが中心テーマになると述べています。会期中には、ミュンヘン工科大学の研究所などと共同で運営するハイテク・プラットフォーム「munich_i」も開かれます。

どちらでもロボットは見られる

Hannover Messe にもロボット・自動化のエリアがあり、主催者は「ROBOTICS AWARD 2027」も実施します。一方の automatica は、ロボット本体から周辺機器・ビジョン・ソフトまで、自動化に必要な要素を1か所で比べられる点が強みです。製造業の幅広い課題の中でロボットを見るなら Hannover Messe、ロボット・自動化そのものを深く見るなら automatica、と考えると整理しやすくなります。

会期と開催頻度の違い

Hannover Messe は毎年4月に開かれます。2027年は4月5日(月)〜8日(木)の4日間で、来場者の多い曜日に絞って前回の5日間から短縮されます。展示は4日間とも9:00〜18:00です。

automatica は2年に1度、6月に開かれます。前回は2025年、前々回は2023年でした。2027年は6月22日(火)〜25日(金)の4日間で、最終日は16:00に終わります。隔年開催のため、メーカー各社が2年分の新製品・新技術を持ち込む場になります。逆に言えば、2027年を逃すと次の機会まで間が空きます。

併催イベントも違います。Hannover Messe では2027年から、金属加工・工作機械の「NexGeM」とエネルギー市場・インフラの「Europe Energy Week」が始まります。automatica は、レーザー・光技術の「Laser World of Photonics」と量子技術の「World of Quantum」が同じ会期・同じ会場で開かれます。主催者によると、チケットは automatica と Laser World of Photonics の両方で有効です。

規模と来場者の違い

規模の数字は年が違う

Hannover Messe 2026 の来場者は約110,000人、出展者は約3,000社でした(主催者の閉幕報告)。2025年の来場者は約123,000人で、2026年は航空・公共交通のストライキで移動が難しかったとされています。出展者数は、2026年の開催前の発表では「4,000社以上」との記載もあり、発表によって差があります。

automatica 2025 の来場者は49,284人、出展者は798社でした(主催者の数値ページ)。閉幕リリースでは「約49,300人」「約800社」などの記載もあります。

Hannover Messe は2026年、automatica は2025年の数字で、年が1年違います。また、扱う分野の広さがまったく違うため、規模の大小がそのまま「自社に合うかどうか」を示すわけではありません。

来場者の顔ぶれ

Hannover Messe は、製造業の意思決定者・技術者が中心です。2026年は来場者の約40%が海外からで、来場の多い国として主催者は中国、ブラジル、アメリカ、日本、韓国を挙げています。エネルギーインフラ・蓄電分野の来場者は約31,400人、水素技術分野は約19,500人でした。

automatica は、主催者によれば2025年の来場者の83%が意思決定に関わる立場で、経営層は20%でした。来場者の半数は従業員199人以下の企業からです。来場の多い業種は自動車、電機・電子、金属加工です。海外からは38%で、ヨーロッパから26%、アジアとアメリカからがそれぞれ6%でした。欧州の中堅・中小製造業の「導入する側」に会えるのが特徴です。

注意

来場者の割合などの集計方法は、展示会によって異なります。数字は「どんな人が来ているか」の傾向をつかむ材料として使い、最新の情報は公式サイトで確認してください。

日本企業の出展

Hannover Messe では、2026年版の公式の出展者検索で所在国が日本の出展者が18件ありました。JETRO、情報処理推進機構(IPA)、ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)など、日本の公的機関・業界団体の参加が目立ちます。日本は主要な来場国の一つでもあります。2027年の日本パビリオンや共同出展の募集は、2026年11月時点で確認できる発表がありません。

automatica では、主催者の2027年の出展者一覧に、日本に本社を置く企業グループの名前が多く並んでいます。ロボット分野ではファナック、安川電機、デンソー、エプソンなどです(欧州の現地法人名での掲載を含む)。日本パビリオンの有無や日本の公的機関による出展者募集は、2026年11月時点で発表が確認できていません。

日本の大手ロボットメーカーと同じ場で比べられる automatica と、日本の公的機関・業界団体の展示を起点にできる Hannover Messe では、日本企業にとっての使い方も変わります。

出展の準備の違い

Hannover Messe

automatica

共通して大事なこと

どちらも機械やロボットを実際に動かす展示が多く、輸送・通関・設営・電源などの段取りに時間がかかります。輸送会社・施工会社とは早めに契約しましょう。準備期間の目安は、初めての海外出展スケジュールのガイドも参考にしてください。必要な期間は展示会によって異なります。

両方に行くなら

2027年は、Hannover Messe が4月5日〜8日、automatica が6月22日〜25日です。会期は約2か月半離れており、開催地もハノーファーとミュンヘンで異なります。一度の出張で両方を回ることはできないため、別々の出張として計画します。

会期の順番から考えると、次のような組み合わせ方ができます。

チェックリスト
  • 見たい・見せたいのは製造業全体の課題か、ロボット・自動化そのものかを決めましたか。
  • 会いたい相手は、大手企業や政策関係者か、中堅・中小製造業の導入担当者かを整理しましたか。
  • 規模の数字は年が違う(Hannover Messe は2026年、automatica は2025年)ことを社内資料に明記しましたか。
  • automatica の小間の割り当てが申込時期に応じて進むことを踏まえ、申込の判断時期を決めましたか。
  • Hannover Messe の出展料金・2027年のチケット料金を公式サイトで確認する担当を決めましたか。
あわせて読みたい

工作機械や組込みも含めて製造業の展示会を目的別に選ぶなら「製造業の海外展示会2027まとめ」、ドイツで開かれる展示会の全体像は「ドイツの展示会2027まとめ」をご覧ください。

まとめ

Hannover Messe と automatica は、どちらもドイツの製造業向け見本市ですが、扱う範囲と来場者の性格が異なります。

展示会選びの考え方は、展示会の選び方ガイドもあわせてご覧ください。私たちも、出展支援や視察プログラムのご相談をお受けしています。