2027年の海外展示会では、ジャンルを問わず「AI」が大きなテーマになっています。家電の見本市でも、通信の見本市でも、工場の自動化の見本市でも、主催者がAIを重点テーマに掲げています。ただし、同じAIでも「どの側面を扱うか」は展示会ごとにかなり違います。この特集では、当サイト掲載中の展示会のうち、ページでAI・生成AI・フィジカルAI・AIコンピューティングなどがテーマとして扱われているものを選び、目的別に整理しました。数字は各展示会ページの記載(主催者の発表)にもとづき、年を添えています。
AIがテーマの海外展示会 2027 一覧
取り上げるのは次の12の展示会です。2026年12月に開かれる GITEX Global 2026 も、2027年の計画に向けた視察先になりうるため含めています。並びは会期の順です。
| 会期 | 展示会 | 開催地 | 業種 | 主な数字(主催者の発表) |
|---|---|---|---|---|
| 2026年12月7日(月)〜11日(金) | GITEX Global 2026 | UAE・ドバイ | IT・ソフトウェア・クラウドスタートアップ・イノベーション | 前回の出展者:6,800社以上前回の参加国:180か国 |
| 2027年1月6日(水)〜9日(土) | CES 2027 | アメリカ・ラスベガス | コンシューマーテック・家電スタートアップ・イノベーション | 前回の来場者:148,392人海外からの来場:37.6% |
| 2027年3月1日(月)〜4日(木) | MWC Barcelona 2027 | スペイン・バルセロナ | 通信・モバイルIT・ソフトウェア・クラウド | 前回の来場者:約105,000人来場者の国・地域:207 |
| 2027年3月16日(火)〜18日(木) | embedded world 2027 | ドイツ・ニュルンベルク | 半導体・電子部品IT・ソフトウェア・クラウド | 前回の来場者(2026年):35,962人出展者(2026年):1,242社 |
| 2027年4月5日(月)〜8日(木) | Hannover Messe 2027 | ドイツ・ハノーファー | 産業オートメーション・ロボット部品・素材・サプライチェーン | 前回の来場者:約110,000人海外からの来場:約40% |
| 2027年5月26日(水)〜28日(金) | Asia Tech x Singapore 2027 | シンガポール | IT・ソフトウェア・クラウド通信・モバイル | 出展者(2026年):700社以上来場者(2025年):22,000人以上 |
| 2027年6月1日(火)〜4日(金) | COMPUTEX 2027 | 台湾・台北 | 半導体・電子部品IT・ソフトウェア・クラウド | 前回の来場者:111,312人来場者の国・地域:152 |
| 2027年6月7日(月)〜11日(金) | London Tech Week 2027 | イギリス・ロンドン | スタートアップ・イノベーションIT・ソフトウェア・クラウド | 参加者(2026年):31,600人超登壇者(2026年):700人超 |
| 2027年6月16日(水)〜19日(土) | VivaTech 2027 | フランス・パリ | スタートアップ・イノベーションIT・ソフトウェア・クラウド | 前回の来場者:200,000人超出展者:4,500社超 |
| 2027年6月22日(火)〜25日(金) | automatica 2027 | ドイツ・ミュンヘン | 産業オートメーション・ロボットIT・ソフトウェア・クラウド | 前回の来場者(2025年):49,284人出展者:798社 |
| 2027年9月3日(金)〜7日(火) | IFA 2027 | ドイツ・ベルリン | コンシューマーテック・家電スタートアップ・イノベーション | 来場者(2026年):240,000人出展者(2026年):2,000社以上 |
| 2027年10月4日(月)〜8日(金) | EMO MILANO 2027 | イタリア・ミラノ | 工作機械・加工技術産業オートメーション・ロボット | 会場の規模:12ホール(約20万㎡)前回ミラノの来場者:6万人超 |
これらは大きく、テクノロジー全般の中でAIを扱う「総合型」と、半導体・通信・製造などの分野の中でAIを扱う「専門型」に分かれます。AIそのものを見たいのか、自社の業界でAIがどう使われるかを見たいのかで、選ぶ展示会が変わります。
「AIがテーマ」という表示だけで選ばず、その展示会がAIの「どの層」を扱っているかを見ます。AIを動かす半導体やサーバーなのか、AIを載せた製品なのか、AIを使う産業の現場なのかを分けて考えると、候補を絞りやすくなります。
AIの最新動向を幅広く視察したい
新規事業や技術探索のために、AIの全体像をつかみたい場合は、テクノロジー全般を扱う展示会が候補です。
CES(1月・ラスベガス)
CES は年初に開かれ、その年の技術トレンドが最初に出そろう場です。CES 2026 の主要テーマとして、主催者はAI(AIエージェント、デジタルツイン、端末上で動くAI)を挙げています。同年の監査済みデータでは、AIに関心のある来場者は39,929人で、前年比22%増でした。2026年に始まった「CES Foundry」はAIと量子技術に特化した講演・デモ・ピッチの場で、企業向けのAIが集まる LVCC North Hall とあわせて回ると効率的です。
GITEX Global(12月・ドバイ)
GITEX Global は、主催者が「世界最大のテック・AI・スタートアップの展示会」と位置づけるイベントです。2026年はAIエージェントの「GITEX Agentix」、データセンターの「GITEX SUPER COMPUTEX」などの専門エリアが並びます。12月7日のサミットのテーマは「AI主権とスケーラビリティの交差点」で、中東の政府によるAI投資の方向性を知る場にもなります。
London Tech Week・VivaTech(6月・欧州)
London Tech Week は、AIを軸にした複数のステージが特徴です。2027年の紹介では「AI Arena」で、AIの先駆者、産業でのAI活用、データセンター・エネルギーを扱うとしています。同じ時期には The AI Summit London も開かれ、共通パスがあります。VivaTech は2026年のテーマの筆頭に「Artificial Intelligence」を掲げ、AIの見かけではなく実際の効果を問うとしていました(2027年のテーマは2026年11月時点で未発表)。どちらもスタートアップの色が濃いイベントです。スタートアップとしての参加は、スタートアップ向け海外イベント 2027 の特集で整理しています。
AIを使った製品を見せたい(暮らし・消費者向け)
AIを載せた家電・デバイス・サービスを発表したい場合は、消費者向けテクノロジーの展示会が中心になります。
CES は業界関係者だけが入場できるBtoBの展示会です。メディアデーや開幕前の報道向けイベント「CES Unveiled」があり、発表を開幕前に仕掛けられます。家電・暮らしの製品は Venetian Expo や LVCC Central Hall に集まります。
IFA(9月・ベルリン)は、業界関係者と一般の両方が入場できる展示会です。2026年の目立ったテーマとして、主催者は「暮らしの中のAI」とロボット(家事ロボット、ヒューマノイドなど)を挙げ、開幕日の基調講演では AMD が「パーソナルAI」をテーマに話しました。欧州の小売・流通との商談と、消費者の反応を一度に見られるのが特徴です。CESとIFAの違いは、特集「CES と IFA の違い」で比べています。
AIハードウェア・半導体・組込みを見たい
AIを動かす「モノ」の側、つまり半導体、サーバー、冷却、組込み機器に関心がある場合は、次の2つが軸です。
COMPUTEX(6月・台北)
COMPUTEX は、AIコンピューティングのハードウェア側が集まる展示会です。2027年の主要テーマ「AI & Computing」では、主催者がAIサーバー、データセンター、液冷、HBM(高帯域メモリ)、エッジAIなどをキーワードに挙げています。2027年は展示分野に「データセンターとエネルギー基盤」が加わりました。2026年の来場者は111,312人(152の国・地域から)です。台湾の電子機器サプライチェーンと直接つながれる点も大きな魅力です。
embedded world(3月・ニュルンベルク)
embedded world は、機器の中で動くコンピューターとソフトウェア(組込みシステム)の専門見本市です。主催者は併設の国際会議を、自動運転、画像認識・組込みビジョン、予知保全などに広がる「組込みインテリジェンス」を扱う会議と紹介しています。会場には組込みビジョンの特設エリアもあります。2026年の来場者は35,962人で、業種別では自動車関連が23%と最も多く、AIは4%でした。エッジAIを製品に組み込む側の技術を見る場です。
AI×通信・デジタルインフラを見たい
MWC Barcelona(3月)は通信の展示会ですが、2027年の主要テーマには「AIを本格運用へ」「AIエージェントによる自律的な企業」「エージェント型・量子・主権AI」が並びます。6番ホールの「New Frontiers」ではAI、ロボティクス、衛星通信の展示が行われます。MWC26 の来場者は約105,000人(207の国・地域)でした。
Asia Tech x Singapore(5月)は、シンガポール政府の IMDA と Informa が共同で手がけるイベントです。展示会の中に「The AI Summit Singapore」というAIの専門ブランドがあり、通信・衛星・放送の専門ブランドと同じ会場に並びます。IMDA が主催する招待制のサミットでは、2026年に企業でのAIエージェントの活用やAIガバナンスの実践などが議論されました。アジアのAI政策と企業の導入事例をまとめて見たい場合に向きます。
AI×産業(フィジカルAI・製造)を見たい
工場やロボットなど、現実世界で動くAI(フィジカルAI)を見たい場合は、製造業向けの専門見本市が候補です。
- Hannover Messe(4月):主催者は「産業AIは中核テーマの一つ」とし、AIは自動化、ソフトウェア、エネルギー、駆動技術の全エリアにまたがります。2026年の来場者は約110,000人。2027年は4日間に短縮されます。
- automatica(6月):主催者は「フィジカルAIと人型ロボット」を2027年の中心テーマとしています。主催者の2026年6月の調査では、ドイツの意思決定者の82%が人型ロボットを今後の自動化の革新の担い手とみる一方、68%は主に試験導入の段階と答えました。
- EMO MILANO(10月):主催者は出展技術にAIを挙げています。直前の EMO Hannover 2025 について、運営団体の VDW は「自動化とAIが中心テーマだった」と総括しています。
- COMPUTEX:主催者は2027年の焦点を「フィジカルAI」とし、2026年に設けたAIロボットの展示エリアを続けて、産業用ロボットや次世代モビリティの展示を広げる計画です。
automatica と EMO は2年に1度の開催です。2027年を逃すと、同じ開催地での次の回は先になります。開催頻度は各展示会ページで確認してください。
目的別の早見表と、日程の組み合わせ方
| 目的 | 主な候補 | ページに書かれているAIの扱い |
|---|---|---|
| AIの最新動向を幅広く視察 | CES、GITEX Global、London Tech Week、VivaTech | CES Foundry、GITEX Agentix、AI Arena など |
| AIを使った製品を見せる | CES、IFA | 端末上で動くAI、暮らしの中のAI |
| AIハードウェア・半導体 | COMPUTEX、embedded world | AIサーバー・液冷・HBM、組込みインテリジェンス |
| AI×通信 | MWC Barcelona、Asia Tech x Singapore | AIエージェント・主権AI、The AI Summit Singapore |
| AI×産業 | Hannover Messe、automatica、EMO MILANO | 産業AI、フィジカルAI・人型ロボット |
会期が近い展示会を組み合わせると、1回の出張で複数を見られます。たとえば3月は MWC Barcelona(1〜4日)と embedded world(16〜18日)、6月は COMPUTEX(1〜4日)、London Tech Week(7〜11日)、VivaTech(16〜19日)、automatica(22〜25日)が続きます。会期は変わることがあるため、2027年の年間カレンダーで最新の日程を確認してください。視察の準備は展示会視察の準備ガイドも参考になります。
まとめ
2027年の海外展示会では、多くの主催者がAIを重点テーマに掲げています。選ぶときは、次の順に考えると迷いにくくなります。
- AIの「どの層」を見たいか(全体動向・製品・ハードウェア・通信・産業)を決める。
- 全体動向なら CES、GITEX Global、London Tech Week、VivaTech を比べる。
- 半導体・組込みなら COMPUTEX と embedded world、通信なら MWC Barcelona と Asia Tech x Singapore を見る。
- 製造業の現場のAIなら Hannover Messe、automatica、EMO MILANO を候補にする。
- 会期の近い展示会を組み合わせ、出張の効率を上げる。
AIをテーマにした出展の見せ方や、視察先の組み合わせを社内だけで決めるのが難しい場合は、出展支援や視察プログラムについてご相談ください。











